■何が足りないか?
我々は平成13年から現在まで、多数の学生ボランティアを含む様々な年齢や職種の方たちと協働し、ウオーキング大会以外にも講演会や勉強会、或いは演奏会や募金活動等を行ってきました。その活動を支えた想いは「美しく誇れる郷土、人」であり、その過程で天神川流域の古代から現世に至るまでの歴史や文化、人々の営みを知り、更に世代を超えて共通の想いを持つ多くの仲間と知り合えたことは何にも変え難いことです。一方でこの地域の抱える問題も知ることが出来ました。中でも高少子齢化、経済不振と商店街の衰退、地域社会の崩壊などは全国の地方都市が抱える共通した問題であり、いずれも地域の将来に暗い影を落とすものばかり。わが町でもそれら地域課題を解決しようと多くの団体が活動しているにもかかわらず地域全体としての市民運動にならないのは何故なのでしょうか。何が足りないのでしょう。
各々の地域住民が抱える地域課題解決のために行政や団体、住民の間に立って調整するのを地域調整(ソーシャル・コーディネート)と言います。まさにその役目をする有効な組織がこの地域にはありませんでした。そのために同じような試みが各団体や各個人で散発的に行われるのみで、互いに協働作業したり全体がまとまったりすることは非常に難しかったのだろうと思います。こうした複雑な調整作業には出身を異にする多数の人たちが携わる必要がありますが、そうした団体や住民を巻き込んでこそ個々に当事者意識が芽生え住民全体の運動に発展すると考えますが、如何でしょうか。
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■我々は、何をする
我々の委員会は地域の各団体や個人、職種、各年齢層で構成されています。皆さんは誰かに命令されて参加したのではなく、委員会が掲げる想いに共感され自ら進んで活動されています。しかも課題に対して前向きで解決のための術や行動力を身につけているすばらしい集団です。これこそは先に挙げた地域調整を担う人たちにふさわしい資質であり、郷土の未来を作り上げる大きな潜在力を持っていることは間違いないのです。
こうした集団が任意団体からNPO法人を立ち上げることは、一方で責任ある運営を義務付けられつつも他方で地域的な信頼や事業運営面等で得られる利点は遥かに大きいです。冒頭に申しましたように社会変化を受動的に受け入れるより、時代を先取りし能動的に社会変化を起こす存在でいたいと考えています。
■1.趣 旨
少子高齢社会を迎え、高齢者福祉・障害者福祉・世代間交流・コミュニティーの蘇生・青少年育成・育児支援・健康づくり・ボランティア育成など、地域はさまざまな課題を抱えています。これらの課題解決に向けて、行政や各種団体など官民が活動しています。ところが、これらを調整する機関がなく、十分に目的を果たせていない現状にあります。
未来ウオーク実行委員会では、ウオーキング大会などの活動を通してその一翼を担ってきました。当委員会は幅広い年齢や各種団体・職種の人たちで構成され、上記の地域課題を調整できる能力を持ち合わせています。しかし、任意団体では活動に限界があり、特定非営利活動法人に移行することによって、責任ある運営を公に義務付けられるとともに、官民が連携して地域の課題に取り組み、個々の団体の枠を越えて全市的な活動になるものと確信します。
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■2.申請に至るまでの経過
平成13年4月30日、「第1回未来ウオーク」を倉吉市で開催しました。翌年からは全国から参加者を得て、2日間の日程で鳥取県中部を会場に開催してきました。また、ウオーキング大会以外にも地域の清掃活動、講演会、演奏会、募金活動などを行ってきました。未来ウオーク実行委員会には、多数の学生ボランティアを含む幅広い年齢や職種の人たちが参加し、その活動を通して天神川流域の古代から今日に至るまでの歴史や文化、人々の営みを知り、世代を超えて地域への思いを共有できました。
一方で、この地域の抱える問題も知ることができました。中でも少子高齢化、中心商店街の衰退、地域社会の崩壊などは地域の将来に不安と暗い影を落としています。それらの問題を解決しようと多くの団体が活動していますが、団体間の調整が取れていないため、市民全体の運動には至っていない現状にあります。
そこで、これらの地域の課題を調整し解決にあたる特定非営利活動法人「未来」を設立し、各団体の役割分担を明確にし、官民が連携しながら活動し、地域の人材発掘に努めることで、市民一人一人に当事者意識が芽生え、市民全体の運動に発展するものと考えます。
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特定非営利活動法人未来
理事長 岸田寛昭